一般社団法人高齢者雇用問題協議会
適格事業者登録番号T1120005023438
大イ第 687979TEL06-6379-3339
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  • お伝えしたいことポイントスピード読み

     のれんわけ

     給料をもらう立場 とそうでない立場のちがいは他人が決めたルールに 従わなければならない

     努力なしで発揮できる大きなポイント

     決められた枠の中で 護身 ばかりで 指示を的確に捉えられなくなって言い訳ばかりに

     一歩外へ出ると身に付いた習慣のため役に立た

    なくなってしまった

     中高年者雇用に困っておられませんか 解決します

     若手社員は? もう会社の思いどうりにはなりません

     中高年者雇用の成功と確保こそが 今大切

     働く意欲を失うもしこのような中高年者が増えれば

     中高年者への 独立のれんわけをしてあげる

     社長作りの前例ができてしまえば

     頭で考えたことは あまり役に立たないようです

     中高年者を持て余している企業にとって

     俄然 驚くような不思議な力を発揮し 頑張れる

     中高年者と 共存することほど 大切なことが

     国や 労働法に縛られない

     給料をもらうという概念

     解決のためのノウハウがあります

    一人社長ができてしまえば 前例ができてしまえば後は勝手に広がり

     少子化に目を向ける よりも中高年者の

     成功談も役に立ちますが それ以上の 役に立つのは 失敗談

     神格化までされた 有名な経営者 中高年者は それ以上

     何気ない人生の体験談 これはとても大切なこと

     60代は さらに輝く活躍する70代の 大切な準備の期間

     シニア雇用の考え方です

     ノウハウによりコミュニティの場で解決

     中高年者は損得の意識 が とて も強い

     皆 社長になってもらう ためコンサルタント

     委託契約を交わす これをサポート

     外注費という節税

     中高年者を定年させることは大きな損失

     独立事業主という境地で

     出来高による報酬

      八十歳までの労働力の 重要性

     中高年者雇用 人件費 指導方法 などに迷っておられませんか

     高齢者を生かせない実情 できる人を追い出す ような現状

     もう会社へ 貢献をしようという人達はいなくなる

     ごまかされなくなって 行く自分の持つ価値観の大切さに気づく人が増えている

     自分の都合が良いか悪いかで生み出された意味のないアイデア や発言

     こういう選択できる制度が 会社になかった  こういう制度を 作ってほしい

     昭和の60歳は? 令和の40歳なのです

     逆走していないでしょうか?

     本人が委託を納得するということ

     今後業務委託は 主流に なるでしょう

     雇われない雇用されない 働き方「雇用関係によらない働き方」

     お伝えしたいこと50年2万5千人の委託契約者との共存から出るノウハウ

     いっぺんにやる気を出す 中高年者のわけ

     納得してもらうための33のコツ ポイント

    すぐにやめてしまう若者に力を入れるより

    会社を辞めない人たちは 中高年者

     子供が減っている 中高年者が増えている どちらに目をむけますか

     成功者より失敗者が なぜ大切なのか

    成功に目を向ける人は たくさんいます失敗に 目を抜ける人は ほとんどいません うまくいった成功した ということは間違いなく 失敗の経験が活きているのです結果だけを見て プロセスを無視 してはいけません

     結果などは 振り返れば つまらない ことです 終わった もの

     委託契約に持って行く という選択技を作ってあげることは私どもの実例から見ても非常に有効です

     暖簾分けは自分の会社ということ 経営者意識

     経営者をサポートする意識

     環境を つくってあげれば すごい力を 発揮します

     もう60だから ではなく60にしか できない 60だからこそ できることがある という考え方

     70歳からが70代こそ 本領発揮なのに  60代は準備期 業務委託 組織という新しい制度

     延長雇用リストラ などと言う 冷たい響きの ある言葉で片付けては いけない

      導入してみると 意外と簡単のれんわけというかんがえかた

     売上より利益の率

     社長になる為の体験を もうすでに体験しているのです 会社を動かしているのは誰でしょうか 実は中高年者

     社長になっていただく 委託契約を交わす これをサポートさせていただきます

     業務を知り熟す中高年者と共存する ことほど大切なことが あるでしょうか

     

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見出し

  • 外注費という節税

     中高年者を定年させることは大きな損失

     独立事業主という境地で

     出来高による報酬

      八十歳までの労働力の 重要性

  • 中高年者雇用 人件費 指導方法 などに迷っておられませんか

     高齢者を生かせない実情 できる人を追い出す ような現状

     もう会社へ 貢献をしようという人達はいなくなる

     ごまかされなくなって 行く自分の持つ価値観の大切さに気づく人が増えている

  •  昭和の60歳は? 令和の40歳なのです

    逆走していないでしょうか?

     本人が委託を納得するということ

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見出し

  • 今後業務委託は 主流に なるでしょう

     雇われない雇用されない 働き方「雇用関係によらない働き方」

    暖簾分けは自分の会社ということ 経営者意識

     経営者をサポートする意識

  •  もう60だから ではなく60にしか できない 60だからこそ できることがある という考え方

     70歳からが70代こそ 本領発揮なのに  60代は準備期 業務委託 組織という新しい制度

     業務を知り熟す中高年者と共存する ことほど大切なことが あるでしょうか
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委託契約に持って行く という選択技を作ってあげることは私どもの実例から見ても非常に有効です

 暖簾分けは自分の会社ということ 経営者意識

 経営者をサポートする意識

 環境を つくってあげれば すごい力を 発揮します

 外注費という節税

メリット

中高年者雇用 人件費 指導方法 などに迷っておられませんか

 高齢者を生かせない実情 できる人を追い出す ような現状

自分の都合が良いか悪いかで生み出された意味のないアイデア や発言

 こういう選択できる制度が 会社になかった  こういう制度を 作ってほしい

 

 

メリット

お伝えしたいこと50年2万5千人の委託契約者との共存から出るノウハウ

 いっぺんにやる気を出す 中高年者のわけ

納得してもらうための33のコツ ポイント

すぐにやめてしまう若者に力を入れるより

会社を辞めない人たちは 中高年者

 子供が減っている 中高年者が増えている どちらに目をむけますか

メリット
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ここをクリックして表示したいテキストを入力してください。テキストは「右寄せ」「中央寄せ」「左寄せ」といった整列方向、「太字」「斜体」「下線」「取り消し線」、「文字サイズ」「文字色」「文字の背景色」など細かく編集することができます。テキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキスト...。テキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキスト...。テキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキスト...。
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売上より利益の率

  • 社長になる為の体験を もうすでに体験しているのです 会社を動かしているのは誰でしょうか 実は中高年者

     社長になっていただく 委託契約を交わす これをサポートさせていただきます

     

     お伝えしたいこと50年2万5千人の委託契約者との共存から出るノウハウ

     いっぺんにやる気を出す 中高年者のわけ

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提案のポイント

  • 中高年者の労働力を最大限に活かす
    ノウハウがあります

    中高年者雇用を
    どう指導すれば
    解決のノウハウ管理も 全く不要




    給料をもらうという概念 ‼️


    公平な報酬制度の創出 ‼️







    自身の意思決定による、
    何事にも縛られない
    社長という立場




    労働法に縛られない



    労使ともに経費はかけずに










    「ジョブ型」
    最大の問題とは
    日立製作所、富士通、資生堂、ヤフー……。
    多くの大企業がジョブ型を実施する中で、
    さまざまな有識者がジョブ型の問題点を指摘している。
    その最たるものが、既存の組織とのハレーションだ。
    いくら即戦力度が高く優秀な人材とはいえ、
    「パラシュート人事」で人材を配置することは、
    現場の不和を生んでしまうリスクがある。







    😊私どもの経験から出た結論は
    まず委託契約を成功させることが
    第一






    中高年者雇用の大切なところは

    見守る・ 観察する・質問をする


    ここに重点を置く、
    たったこれだけです



    投資や資金は 一切 いりません



    中高年者雇用に つきものの
    思った通りに 働いてくれないという
    悩みが多いようです



    また新しいことに
    協力をしません
    今までのやり方を変えようとしません
    変えたくないからです




    危険変化を犯したくないから
    そうなってしまった多くの中高年者がおられます



    逆さま
      逆 
    なのですね


    このコンサルティングによって、
    ヒントがきっかけがあるかもしれません





    中高年者は、自分の体のことを気にします
    例えば体力が落ちた全力で走れない
    そんなことから自信を
    なくす方もいます
    でも
    昔のように
    全力で走る必要など
    どこにもないのですね




    中高年者
    こんなすごい人たちはいないのですね
    中高年者はプライドが高く口に出さないから
    何気ない普段の 会話の中に それを見いだす
    ことができるのですが
    気が付かない
    だけなのです





    これまで 大変な事に立ち向かって解決してきたか
    それに上下はありません中高年者の体験談こそとても
    大切です中高年者の持つ力を 十分に発揮できる
    環境を作る具体的な方法
    これが私どもの
    コンサルティングです





    延長雇用リストラなどと言う

    冷たい響きのある 言葉で片付けてはいけない

    という思いから この事業が指示される わけです

    全ての中高年者の 人生の体験談これはとても大切なことです







    80歳以上働ける又戦力となる

    昭和の80歳は令和の60歳なのです









    出来高払いとは
    中高年者が永年にわたって身に着けた
    会社への貢献できる能力を発揮して
    今の仕事を継続し上がった利益を
    分配する仕組み
    コミッション




    社長作りの前例ができてしまえば
    人事管理も不要となり後に続く人が
    増え勝手に組織は広がっていきます





    中高年者は 立場状況を 変えてあげると
      のれん分けと いう形にすると
    俄然
    驚くような不思議な力を
    発揮し 頑張れるものです





    中高年者を持て余している企業にとって
    気づきになる




    中高年者と共存することほど大切なことがあるでしょうか
    お互い国や 労働法に縛られないやり方で共に共存と言う
    考え方




    給料をもらうという概念から
    中高年者の持つ 力を 有効に売上に利益に繋げる




    技術を持つ中高年者は行動の仕方を知っています
    無駄な動きがないので結果的にスピードがある
    自分をコントロールする力が高い






    雇われない雇用されない働き方


    重要なこと


    少子高齢化ということは若者が減る
    ここに目を向けるのではなく現実中高年者がどんどん増えていく若者が減った分中高年者が増えているのです
    何の問題ありません




    少子化に目を向けるのではなく
    中高年者の社会に移り変わっている
    中高年者が増えてゆくという現実を生かすという見方は
    できないでしょうか




    少子化を食い止めることは誰にもできません
    大きな自然の流れに逆らうようなものではないでしょうか





    社長になってみたい やってみたい人を集めて
    まずやってみせるのが いいのではないでしょうか
    もしそんな方法があるなら




    今まで慣れ親しんだ 会社を変わることなく
    さらに新しいビジネスを作り出す
    というご提案
    社長を


    創り出していく




    人事の見方を変える



     
      企業でのまた 私生活での 60年の 体験というものを
    あまりにも 当たり前に 軽く見すぎているのではないでしょうか





    60代は さらに輝く70代の大切な準備の期間と
    考えることはとても大切と思うのです





    70代がどれほど心身共に健康で あるか 考えてみてください
    例え 病気しても医療が進む今日では一時のことでは
    ないでしょうか





    70代から やることがなくなって 時間を持て余すことの
    弊害について
    今考えるべきではないでしょうか





    一日中 家の中で 奥様と いれば  
    どうな るか誰にでもわかることです




    🎈

    中高年者は損得の意識 が若者に比べてとて
    も強いと思うのです損になることは
    絶対に手を出さない避ける




    七十歳ぐらいまでの 5年10年ぐらいのこと
    までしか考えていない企業や中高年者が 多いように思います




    70代に入ったら その後はどうするのでしょうか




    税金や保険に対する 知識 経験の不足




    コンプライアンスやノンクレーム等々
    中高年者は最高の仕事をします




    経営者誰にも拘束されない
    命令されない



    給料をもらっているから と 自分の出した
    成果に対する
    報酬という立場での観点の違いは






    長年の会社での決められた枠の中で
    護身ばかりで指示を的確に捉えられなくなって
    言い訳ばっかりに なってしまった多くの人たち





    煩わしい契約更新リストラ給与カット
    さらにそこから無経費で大きな収益を得る可能性 
    そして中高年者を生かせない実情




      できる人を追い出すような現状



    若者が継いでいく会社は今までの経験しか
    持っていない



    若者にとっては
    大きな損失



    家庭でも同じこと



    おじいちゃん
    おばあちゃんの
    知恵を追い出す間違い









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人事の方へ

  • ジョブ型雇用とは?|メンバーシップ型との違いやメリデメなど

    人事の方へ
    ジョブ型雇用とは?|メンバーシップ型との違いやメリデメなど解説大手企業で導入が進むジョブ型雇用を巡る課題大手企業を中心に、職務(ジョブ)を特定して必要な人員を採用するジョブ型雇用制度を導入する動きが活発になっている。これまでの日本で主流だったのは、職務を特定せずに採用するメンバーシップ型の雇用形態である。メンバーシップ型は、もし特定の職務で人材が不足した場合、人事異動による人員配置で対応してきた。それを支えてきたのが新卒一括採用や年功序列、終身雇用という日本型の雇用形態である。しかし、この日本型の雇用形態が、グローバル社会では通用しなくなりつつあるという側面も、ジョブ型雇用が進む背景にありそうだ。さらに、海外の優秀な人材を獲得するためにも、欧米で主流のジョブ型へと、雇用形態を切り替える必要も生じてきているようだ。メンバーシップ型からジョブ型へと雇用形態を転換するためには、年功序列の賃金制度や終身雇用制度についても見直す必要がある。ジョブ型雇用は、職務を特定して雇用関係を結ぶ仕組みで、その職務が完了すると雇用関係も終了する。その仕組みにこそ、人材の流動化促進や生産性向上、成果によって賃金をアップすることもできるのだが、日本でのジョブ型雇用は、年功序列型の賃金制度を引きずった“日本版ジョブ型雇用”とでもいうべきスタイルが多いようだ。ジョブ型雇用は、まず職務があり、そこに職務を遂行できる人材を配置することで、成果に合わせた賃金を支払うものである。しかし、成果を正当に評価する明確な基準も定まっていないのが実情だ。日本でジョブ型雇用が本格的に定着していくためには、年功の賃金制度や終身雇用制などを大転換する必要がある。そうなると、働き方も雇われ方も大きく変わることになるが、働く側の意識変革も必要となりそうだ。
    序列型
    政府も、職務給中心の給与体系への移行を促す指針を策定する予定だが、ジョブ型雇用が日本に根付いていくためには、クリアしなければ課題がまだまだありそうだ。ジョブ型雇用とは「仕事」に「人」を当てはめるという考え方を基本とした雇用形態のことです。ジョブ型雇用では、仕事内容や就業場所、責任範囲や評価基準、報酬などの職務内容をあらかじめ提示し、この職務記述書にもとづいて雇用契約を結びます。職務記述書に記載されていない業務の指示や、就業場所の変更などは基本的には認められません。ジョブ型雇用の目的は「仕事に必要な人材を雇用する」こと。企業側だけでなく従業員側にもメリットがあります... ここからしたジョブ型業務委託メリットデメリット業務委託やってる会社人事高齢者の方へジョブ型雇用とは?【メンバーシップ型との違い】部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは?スペシャリストを確保したい企業を中心に導入が進められています。
    1.ジョブ型雇用とは?ジョブ型雇用とは、職務内容を明文化して従業員を採用し、仕事の成果で報酬を決める雇用制度です。ジョブ型雇用では、仕事内容や就業場所、責任範囲や評価基準、報酬などの職務内容をあらかじめ提示し、この職務記述書にもとづいて雇用契約を結びます。職務記述書に記載されていない業務の指示や、就業場所の変更などは基本的には認められません。従来、日本企業が採用してきた「メンバーシップ型雇用」とは制度として大きく異なります。部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは?2.ジョブ型雇用が注目されている背景ジョブ型雇用はすでに浸透しつつありますが、近年また注目されるようになったのは、2020年に経団連(一般社団法人日本経済団体連合会)が「2020年版経営労働政策特別委員会報告」で「メンバーシップ型の雇用を見直すべき」と公表したためです。そのほかには、2020年4月1日に施行された「同一労働同一賃金ルール」で「同じ仕事内容ならば同じ賃金を支給する」と定めたことや、テレワークでは評価基準を成果に切り替えたことなどが挙げられます。部下を育成し、目標を達成させる3.職務記述書(ジョブディスクリプション)とは?職務記述書(ジョブディスクリプション)とは従事する職務内容などを記載した書類で、雇用契約を結ぶ前に企業が求職者へ提示します。記載項目には以下のものが挙げられ、なかには業務を問題なく遂行するために必要な項目も含まれているのです。ポジションや役職職務目的職務責任職務内容および範囲スキルや資格、経験年数 など
    4.ジョブ型雇用のメリットジョブ型雇用の目的は「仕事に必要な人材を雇用する」こと。企業側だけでなく従業員側にもメリットがあります。企業側のメリットジョブ型雇用では、企業は求める人材を職務記述書で明確化して採用するため、採用活動や人材育成などでメリットを得られるのです。専門性の高い人材の採用職務記述書で業務遂行に必要なスキルや資格、経験年数などを明確にしているため、条件に合致する、業務に適したスペシャリストを採用できます。企業にとっては、人材育成コストの削減と業務効率化の両面において大きなメリットを得られるのです。雇用のミスマッチ防止職務内容や勤務地などを雇用前に限定しているため、採用後に「希望していた仕事と違う」という理由での退職を防げます。メンバーシップ型雇用では、欠員が出たときなどに担当業務の変更や転勤を命じられることがありますが、ジョブ型雇用ではそのような人員配置ができないからです。ミスマッチが起こりにくいため、採用コストの削減にもつながるでしょう。

    優秀な人材の育成

    ジョブ型雇用従業員は人材育成においても効果的です。ジョブ型雇用では求められる役割や責任、能力などが明確であり、仕事の成果が評価や報酬につながります。業務遂行に必要なキャリア形成やスキルアップなどに対して意欲的に取り組みやすいと考えられます。

    能力の高いジョブ型雇用従業員にマネジメントなどの研修を取り入れると、次世代のリーダーとなりえるでしょう。

    従業員側のメリット

    従業員側の大きなメリットは、自分の能力を活かせる仕事に専念できること。評価の基準が成果であるため、報酬が年齢や勤続年数などに左右されない点もメリットになりえます。

    能力を最大限に発揮

    ジョブ型雇用従業員は、自分のスキルや専門性を最大限に発揮して仕事に取り組めます。各部門のジョブ型雇用従業員が各々の仕事に専念して成果を上げれば、業務効率や生産性の向上につながります。

    経営課題の解決や業績の向上などが実現しやすくなるでしょう。

    評価基準の明確化

    ジョブ型雇用従業員の評価は、職務記述書に記載された業務を遂行し、求められている成果を上げることで決まります。

    メンバー型雇用の評価では、上司や人事の主観が含まれたり、人柄や価値観なども加味されたりすることも少なくありません。

    ジョブ型雇用の評価基準は従業員にとっても基準が明瞭であるため、成果アップへのモチベーションにつながるでしょう。

    専門性やスキルに応じた報酬の獲得

    ジョブ型雇用の報酬額は人材市場も考慮して決定されるため、従業員の専門性やスキルが報酬に影響します。年齢や役職などは評価や報酬の基準に含まれません。

    スキルアップするほど高い報酬を得られるのです。社内ではより高報酬の仕事を遂行できるようになりますし、キャリア形成のための転職などもし

    5.ジョブ型雇用のデメリット

    日本で多く取り入れられているメンバーシップ型雇用と比べると、対極的ともいえる雇用制度です。

    企業側と従業員側には、メンバーシップ型雇用にはないデメリットが生じます。

    企業側のデメリット

    企業でジョブ型雇用を導入した際には、

    人材の硬直化人材流出雇用時のトラブル

    などのデメリットが想定されます。

    柔軟な人材の配置換えが困難

    ジョブ型雇用従業員は職務や就業場所が変更できないため人員配置に制限が生じてしまい、柔軟な対応が取りにくくなります。

    たとえば増員や欠員補充が必要になった部署やチームがあっても、ジョブ型雇用従業員へ異動や転勤などを原則命じることができません。

    事業の縮小や撤退などで部署や部門を廃止する際に、ジョブ型雇用従業員は人員整理がしにくくなります。

    合意形成が不十分だった場合のトラブル

    職務記述書の記載内容が不十分なまま雇用契約を締結させてしまうと、のちにトラブルに発展する恐れがあります。

    「職務記述書に記載されていない業務をやらされた」として、従業員の不満や、最悪の場合は訴訟への発展が懸念されます。

    業務内容などに変更が生じる場合は職務記述書を更新し、再度合意を得る必要があります。

    人材流出のおそれ

    ジョブ型雇用従業員は、自分の専門性や能力をより高く評価してくれる企業へ転職してしまう可能性があります。

    特定の職務に従事してスキルを高めた従業員は人材市場価値が高まりますし、ほかの企業も高い報酬を提示して確保しようとするでしょう。

    キャリアアップや、自社では実現できないスキルアップを希望して他社へ転職してしまうケースも考えられます。

    従業員側のデメリット

    働く側のデメリットには、

    教育の機会長時間労働解雇

    などが挙げられます。いずれも職務や勤続へのモチベーションが大きく低下しかねません。

    積極的な自己研鑽が必要

    ジョブ型雇用従業員は、研修や教育が省略される傾向にあります。「職務を遂行できる専門性や能力を持っている」という条件で採用され、入社後は即戦力とみなされるからです。

    異動なども行えないため、ジョブローテーションの対象にもなりません。ジョブ型雇用従業員がキャリアアップや報酬アップを目指すには、自主的に学習やトレーニングを積んでスキルアップする必要になるケースもあります。

    労働時間に対し業務量が不相応

    成果が評価の基準であるため、ときに労働時間と業務量のバランスが崩れることがあります。

    「あきらかに勤務時間内に終わらない業務量である」や、「期日までの期間が短すぎて残業しなければ間に合わない」といったケースが考えられるでしょう。

    このような状況が続いてしまうと、離職や転職してしまいかねません。ジョブ型雇用従業員であっても適正な労務管理が必須です。

    解雇リスク

    職務記述書に記載された職務に専従するため、その職務が無くなると解雇される可能性があります。

    たとえば事業の縮小や撤退などで人員整理が必要になった際、ほかの部署へジョブ型雇用従業員を異動するなどの対処ができないのです。ただし企業が従業員を解雇する際にはさまざまな条件が設けられているので簡単には実施できません。

    6.ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の違い

    特定の職務に従事するジョブ型雇用に対して、メンバーシップ型雇用は職務内容や勤務地の制限がありません。

    たとえば新卒者をメンバーシップ型雇用で採用した場合、社内研修などで適性を見極めて最適な職務が割り振られます。しかしその職務にずっと従事するとは限りません。

    部署異動や転勤といったジョブローテーションや研修などを行って、リーダーやマネージャー、役員などへ育成していくのです。

    メンバーシップ型雇用のメリット

    メンバーシップ型雇用は基本的に終身雇用を前提としています。

    部署や部門を変更できるので、ジョブローテーションなどを取り入れた長期の人材開発がしやすく、事業の縮小や撤退などがあっても雇用を継続しやすい制度になっています。

    企業は柔軟な戦略人事が実現でき、従業員は安定した収入を得られます。

    メンバーシップ型雇用のデメリット

    メンバーシップ型雇用のメリットは、一方でデメリットにもつながります。「簡単に解雇されない」という安心感から、従業員の向上心やモチベーションなどが低下する恐れがあるでしょう。

    年功序列型賃金制度もあわせて取り入れている場合、企業はそのような従業員にも勤務年数に応じた賃金を支払わなければなりません。

    一方従業員側は、会社都合の異動や転勤、残業などに応じなければならない点がデメリットといえます。

    7.ジョブ型雇用の導入事例

    日本でもジョブ型雇用の導入が進んでおり、大手企業だけでなく中小企業やベンチャー企業などにも広がりを見せているのです。

    ここでは大手企業3社の事例を紹介します。

    株式会社日立製作所

    総合電機メーカーの株式会社日立製作所ではグローバル人財マネジメントを実現するために、2021年4月からジョブ型雇用人事制度を運用開始。主な施策には以下の3つが挙げられます。

    デジタル分野に特化した人材の採用職種別採用即戦力となる経験者の積極採用

    職種別採用とは、新卒者が応募時に希望職種を選択でき、入社後はその職種へ配属する取り組みです。

    ほかにも全職種の職務記述書を作成し、2024年までに従事する従業員へ必要なスキルを習得する機会の提供という取り組みも進めています。

    参考NEXT CAREER STORIES株式会社日立製作所参考対談 「ジョブ型雇用」とこれからの人財マネジメント その1 「ジョブ型雇用」の定義株式会社日立製作所

    富士通株式会社

    電子機器メーカーの富士通株式会社は、2020年にジョブ型人事制度を導入。対象は幹部従業員です。

    報酬の基準として7段階の「FUJITSULevel」を設定し、売上や目標達成度、影響力や専門性などによって評価します。

    同時にジョブポスティング(社内公募制度)も改定しており、レベルを上げるために必要であればポジションの移籍を可能としています。

    参考富士通と従業員の成長に向けた「ジョブ型人材マネジメント」の加速富士通株式会社

    KDDI株式会社

    大手通信事業者のKDDI株式会社は2020年8月にジョブ型人財マネジメントを導入。労働時間ではなく成果や能力、チャレンジなどを評価の対象として報酬を決定します。

    ジョブ型雇用でありながら、グループ企業などを利用した人材育成を取り入れている点が特徴です。

    2021年4月に入社する新卒従業員からは、一律としていた初任給制度を撤廃し、能力に応じた給与体制を導入することも決定しています。

    参考KDDI版ジョブ型人事制度KDDI株式会社

    8.ジョブ型雇用を導入する際の課題

    企業にも従業員にもメリットがあるジョブ型雇用の導入を検討している企業も多いでしょう。

    しかし、

    職務記述書の作成が難しい採用活動の効率が低下する適した人材が見つかりにくい

    などの課題があります。

    職務記述書(ジョブディスクリプション)の作成

    ジョブ型雇用を導入する際は、職務記述書の作成が不可欠です。しかし企業によっては、職務記述書を作成するのが難しいでしょう。

    職務記述書を作成するには、部署やチームなどが現場で行っている業務や責任、遂行に必要なスキルなどを洗い出し、人事部や経営層がこれらを把握しなければならないからです。

    多くの人手と時間を要するため、これらの作業をやりたくても実行できないという企業も少なくありません。

    新卒一括採用との非親和性

    ジョブ型雇用への移行やジョブ型雇用従業員の割合を増やすと、メンバーシップ型雇用の採用活動と比べて効率が悪くなる可能性があります。

    たとえば新卒者は応募の際に職務記述書の提出が求められるようになり、人事担当者はそれぞれの適性に合わせた人材配置を考えねばなりません。中途採用の割合を増やす場合は、通年的に採用活動を行う必要があります。

    人材の確保

    メンバーシップ型雇用の企業が多いと、ジョブ型雇用に適した人材が獲得しにくいという課題もあります。

    独立行政法人労働政策研究・研修機構の「データブック国際労働比較2019」によると、20年以上勤続している労働者の割合は、日本は全体のうち22.5%を占めています。一方のアメリカは10.3%。

    ジョブ型雇用が普及しているアメリカでは、キャリアアップなどで転職することが一般的なので、転職市場で優秀な人材を調達することが可能なのです。しかし日本ではまだその域に達していないといえます。

    ジョブ型メリットデメリットその意味





    現状ジョブ型



    「高年齢者雇用安定法」改正…定年後の働き方はどう変わるのか



    ジョブ型にすると、働かない社員の給料を下げられる?・

    問1 ITに詳しい人材を特別な高額年俸で採用してもいいですか? ・問2  「こんな安月給では結婚もできない」と若手がぼやく ・問3 ジョブ型にすると、働かない社員の給料を下げられる? ・問4 職務記述書にどんな要素を入れればいいか分からない ・問5 仕事はできるが、勤務態度が悪い古参をどう処遇すればいい?



    新卒一括採用、終身雇用など日本企業の代名詞とされるメンバーシップ型雇用。これに対して、欧米型のジョブ型雇用は、ジョブディスクリプション(職務記述書)を作成し、その職務内容に基づいて必要な人をその職務内容に見合った金額で採用します



    。 ジョブ型が職務に対して人を付ける「就職」であるのに対して、メンバーシップ型は、人を採用してから職務を付ける「就社」と表現すると分かりやすいでしょう。



    雇用の起点が、職務ありきか、人ありきかという違いです。



     そして、最近話題のこのジョブ型雇用に変更したら「働かない社員の給料を下げられるのか」と尋ねられることが増えました。 私は「下げようと思えば、下げられるでしょう」と答えています。



    ジョブ型は😊、職種ごとに職務記述書を作成するので、「ここに定めた仕事が十分にできていなければ、今の給料は維持できない」と迫ることは可能だからです。



     でも、「社員の給料を下げたいから、ジョブ型を採用するのですか」と私は経営者に聞きたい。



    新しい賃金制度を導入する目的は、給料を下げることなのか、

    それとも社員の成長や定着を促すことなのか。自問自答してください。 また、働かない社員の給料を下げる前に、なぜ社内に働かない社員が生まれてしまったのかを考えるべきだと思います。

    社員の給料を下げるなら当然。社長の給料も下げて当たり前ではないですか?



    ある日突然、その社員は働かなくなったのでしょうか。その社員に対して、きちんと働くように会社は十分な指導をしてきたのでしょうか。 もし、働かない社員の給料を下げた場合、必ず他の社員にも影響を及ぼします。「今度は自分の給料が下げられるかもしれない」と不安になるからです。



    それ以降、会社に忠誠心を持つことはないでしょう



    。組織にとってマイナスであることは明らかです。働かない社員にはこう話すことをおすすめします。「あなたの本来の給料は○○万円です。○○の仕事ができるようになれば、今の給料を維持できます。給料を下げたくないので、○○の仕事ができるように成長してほしい。我々も一生懸命教えます」。



    これで社員がやる気になってくれれば、社員も会社もハッピーです。 この説明をするためには、一般職、中堅職、管理職における期待成果、その成果を出すための重要業務、必要な知識・技術、そして勤務態度を明らかにしなくてはなりません。



    さらに、社員の成長に連動した賃金制度もつくる。



    その上で、経営者には社員の前でぜひこう宣言してほしい。



     「人事制度を見直して成長基準と給料を明確にしたために、我が社では、評価と賃金の一致しない社員はもう二度と生まれない」 私は「他社にならってジョブ😊型を導入しましょう」「働かない社員は排除しましょう」といった今の風潮には疑問を感じています。企業は目先の給料や労働分配率だけを見るのではなく、長い目で企業が成長するための人材育成をしていくべきです。真の問題はどこにあるのか、何のためにジョブ型を導入したいのかをはっきりさせることが先決です。







     
     人事に関する問題は社員の採用、定着、成長の3つに帰着します。あなたの会社がジョブ型を導入するなら、3つのどこに焦点を合わせるのかを考えてみてください。



    🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈「定年後の再雇用」うまくいく人、ダメな人の差管理職で定年を迎えた人ほど早々に辞めるワケ



    この4月から「高年齢者雇用安定法」が改正となり、70歳までの就業機会を確保することが企業の努力義務となりました。現在は65歳までの雇用が義務化されていますが、そこからさらに5年という期間が努力義務となったことで、すべての企業ではないものの70歳まで会社に残って働ける可能性は増えてきたといっていいでしょう。



    ところが現状では、定年延長どころか再雇用でも70歳までの雇用機会を設けているところはそれほど多くはありません。帝国データバンクが今年の2月に調べた結果によれば、定年を70歳まで延長するうえにしたへつずきとばすところはわずか3.4%です。比較的多いのは70歳までの継続雇用制度を採用するところで、これは25.4%です。その他の制度を合わせても何らかの就業機会の確保を予定しているのは43.6%ですから半分以下です。



    さらにいえば、これは制度をつくるということであって、全員が必ず70歳まで雇用されるわけではなく、成果や能力の評価によっては雇用されないということもありえます。したがって、望めば誰もが70歳まで同じ会社で働けるというわけではありません。



    70歳までの雇用をめぐる昨今の記事やコメントをみていると、「自己評価が甘すぎる」とか「自分の価値を冷静にみるべきだ」という比較的シビアな意見がみられますが、70歳までの雇用確保への取り組みはまだ始まったばかりです。むしろ、それ以前に現在の雇用延長制度、すなわち60歳から65歳までの再雇用制度にも問題点はあります。



    🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈再雇用後の仕事に「判断する業務」はない



    私は、自分自身も定年後に再雇用で少しの間、働いた経験がありますので、実体験からいわせてもらうと、再雇用でうまくいくかどうかの分かれ目は性格とか能力といった要素よりも、もっとシンプルな要因で決まります。結論からいえば、「現業で働いている人」はうまくいくことが多いですが、「管理職」はうまくいかないことが多いのです。私自身、定年前は管理職でしたので、60歳で定年になった後に再雇用で働き始めたものの、結局半年で辞めて自分で起業しました。



    でも、これは考えてみれば当たり前の話です。現業で働いている人、例えば製造現場で作業に従事していたり、営業マンとして第一線で顧客開拓をしていたり、あるいは経理で実務をやっていたりという人であれば、自分のやるべきタスクがはっきりしています。もちろん、人によって能力差はあるものの、少なくとも“仕事がある”ことは間違いありません。



    ところが、管理職のまま、定年を迎えた人は、とたんに“仕事がなくなる”ことが多いのです。管理職の仕事は「判断すること」です。でも定年後は多くの場合、管理職ポストを外れて一兵卒になりますから、管理職の業務=判断することはなくなってしまいます。もちろん、管理職としての仕事は、判断することだけではありません。自分の部門の業務をスムーズに進めるために上層部への根回しやトラブルが起きたときの対応、部下の評価といったこともありますが、多くの場合、そういった業務はなくなります。



    定年後の再雇用において管理職のまま勤務を続けられるのであればいいですが、そういうケースはまだ少ないでしょう。したがって再雇用されたものの、管理職からは外れ、重要な仕事を任されることはまずありません。どんな内容であれ、自分が誰かに必要とされていると感じられれば、働くことに生きがいを覚えるでしょうが、そうでなければモチベーションは大きく低下します。

    では、管理職の人には定年後の再雇用においても、そのままの立場で残って働いてもらえばいいのかというと、事はそれほど容易ではありません。とくに大企業になればなるほど下から若い人がどんどん上がってきますし、ポストは限られますから、ずっと管理職のままでというわけにはいかないのです。だとすれば現在、管理職の人が60歳や65歳以降も一定の存在感を発揮して働きたいと思ったら、いったいどうすればいいのでしょう。それは「準備すること」に尽きると思います。



    「準備」というと、定年後に再就職や起業をするのかと思うかもしれませんが、必ずしもそうでなく、会社に残る場合も「準備」をしておくことが大切なのです。では何の準備をするのか?ということですが、それは「自分の部署が行っている業務に対する理解と知識の補充」です。「何を今さら! そんなことぐらいわかっている」と思うかもしれませんが、長年管理職をやっていると実務に関する最新の知識はわからなくなっていることが多いのです。



    なぜなら、実務は現場の若手がやっているからです。でも同じ会社で、再雇用で働く場合は昔と同じ一兵卒に戻るわけですから、判断する業務は不要で、実務をこなさなければなりません。したがって若手同様に現在の業務に対する最新の知識を補充することは必須です。他の部署に異動するのであれば、現在の業務の知識を覚えても無駄になるかもしれませんが、会社としても60歳以降にまったく経験のない業務に就かせて一から教育するなどということは効率が悪いでしょうから、多くの場合は現在の部署で立場を変えて仕事をすることになります。



    再雇用後は「老後の初心」を忘れずに働こう



    実務をこなすための知識を勉強し、その能力を身に付けることは欠かすことができません。「若手じゃあるまいし、今さらそんなことができるか!」という人は再雇用には向いていないと思います。いえ、再雇用だけではなく、転職にしても起業にしても素直に学ぶ姿勢がないと、おそらくどんな仕事をやってもうまくいかないでしょう。



    室町時代に能を広めた世阿弥が著した『風姿花伝』の中に「老後の初心」という言葉が出てきます。60歳を迎えてから学ぶことを失わないことの大切さを説いているのですが、まさに再雇用でうまくいくために必要なことは、「老後の初心」ではないでしょうか。自分が会社に入った頃に一から学んだ業務のことを再び学ぶ、そのことに新鮮な気持ちと喜びを覚えることが再雇用で楽しく働ける秘訣だと思います。



    「定年後の再雇用」うまくいく人、ダメな人の差



    🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈希望退職を募集して、応募者が「やっぱり辞めません!」と言ったら、どうする?



    仕事は同じ給料は下がる責任も同じ役職亡くなったのに取引先は同 じと見る給料も役職も失うのに権限があるとみられる



    単身赴任の弊害元に戻るの2倍以上かかる夫婦関係生活



    新型コロナウイルスが雇用に大きな影を落としている。名だたる大企業や、安定した経営だと思われていた業種にも、早期・希望退職者を募集する企業が相次いでいる。経営コンサルタントの大前研一氏が、日本企業の早期・希望退職の増加について考察した。



     * * *

    🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈 新型コロナウイルス禍の影響で、日本企業の人員リストラが加速している。



     東京商工リサーチの調査によると、2021年の上場企業の早期・希望退職者募集人数が6月3日に1万人を突破した。1万人を超えたのは2020年(9月14日)より約3か月早く、実施企業数は2020年同日より17社多い50社で、募集人数も2020年同日より4121人多いという。人員削減は日本たばこ産業(JT)、KNT-CTホールディングス、LIXIL、東武百貨店、中京銀行、アステラス製薬など様々な業種の企業に広がっている。



     また、内閣府が6月に公表した2021年版『男女共同参画白書』は、新型コロナの感染拡大による不況は女性の就業が多いサービス業などの接触型産業に強く影響を及ぼしたため、「女性不況」(シーセッション/She-Cession=SheとRecessionを組み合わせた造語)と呼ばれることもあると指摘した。



     そういう暗澹たる状況の中で、パナソニックが既存の早期退職制度を拡充し、バブル入社組の50代を標的にした大規模リストラに着手すると報じられた。同社は創業者の松下幸之助氏が「事業は人なり」をモットーにしていたことから、これまで人員整理をタブー視してきた企業である。そのパナソニックまでもが大規模リストラに踏み切ったとなれば、今後も人員削減を行なう企業が相次ぐことは避けられないだろう。



    🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈パナソニックが抱えた余剰人員



     そもそも早期・希望退職募集は、経営者が“サボった”結果であり、好ましくないやり方である。たとえば、百貨店最大手の三越伊勢丹ホールディングスは2018年度から大々的な人員削減を行なったが、それは役に立たない中高年社員を、早期退職金を払って切り捨てたにすぎない。本来なら、彼らにICTやAIなどを活用したマーケティング・流通・販売の新しい知識と能力を身につけさせて雇用を継続する、あるいは他社から求められる人材になるよう再教育すべきだが、それができなかった。



     パナソニックも同様だ。間接業務の革命的な変化に対応できず、ホワイトカラーの余剰人員を大量に抱え込んでしまった。さらに、その人たちがこれから必要とされるスキルを身につけて職能転換できるようにすることもできなかったからリストラするわけで、これは「社員を再教育して役に立つようにする知恵も自信もありません」と宣言したのと同じであり、経営者として最も恥ずべきことである。同社を9年間率いてきた津賀一宏会長(前社長)は、しばしば経済誌などで持ち上げられてきたが、結果を見れば、その経営手腕には大いに疑問を感じざるを得ない。



    ただし、この問題はパナソニックだけでなく、大半の日本企業に共通する。



     たとえば、ソニーは2003年の「ソニーショック(※)」以降、いわゆる「追い出し部屋」問題やパソコン・電池事業の売却などを経て、今はゲーム、映画、音楽、CMOSイメージセンサーが絶好調で2021年3月期に1兆1718億円の過去最高益を出した。しかし、間接業務のホワイトカラーに大鉈を振るわなければ、いずれはパナソニックのように失速しかねないと思う。



    【※ソニーが2003年4月に同年1-3月期の大幅な赤字と翌年3月期の3割減益見通しを発表して株価が暴落し、日経平均株価も20年ぶりに7700円を割り込んでバブル崩壊後の最安値7699円50銭まで下落した】



    日立は買収した海外企業に学ぶ



     ソニーと同じく2021年3月期に5016億円の過去最高益を出した日立製作所も、間接業務の効率化を事業としていながら、その自動化において自社が世界の潮流から大きく後れを取っていた点では、パナソニックと大差なかった。



     だが、2020年にスイスの重電大手ABBから買収した送配電子会社・日立ABBパワーグリッドの間接部門のやり方が画期的に違うことに驚愕し、同社の間接部門の専門組織に国内外の調達や総務、財務などの機能を集約すると報じられた。2025年度までの5年間で1700億円のコスト削減効果を見込んでいるというが、うまくやれば、グループ全体で年間1兆円程度は削減できると思う。



     日立製作所の東原敏昭会長がABBの間接部門に着目したのは慧眼であり、買収した企業に花を持たせるのも非常によいことだ。将来は東京本社の間接部門の一部人員を海外へ移転させることも視野に入れているそうだが、私に言わせれば、間接業務はすべてABBに任せるべきだろう。



     ことほどさように欧米企業は間接業務を徹底的に合理化・効率化しているから、生産性が高くなって収益が増え、給料が上がっているのだ。日本企業は🎈🎈🎈🎈🎈🎈日立製作所のケースを参考にして、間接部門の改革に可及的速やかに取り組まねばならない。それが新型コロナ禍を乗り越えてDX時代に成長するための必須条件なのである。



    「早期・希望退職」の増加は経営者に知恵がない証拠



    (1) 70歳までの定年引上げ

    (2) 定年制の廃止

    (3) 再雇用などで、70歳まで働ける制度を導入

    (4) 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入

    (5) 70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入

    a.事業主が自ら実施する社会貢献事業

    b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業



    🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈ホンダといえば、給料や福利厚生などの待遇に恵まれた“社員に優しい”会社として知られている。そのホンダが、本気のリストラに着手。今年4月に募集をかけた「早期退職プログラム」には国内正社員の5%に相当する2000人もの社員が殺到した。特集『新・階級社会 上流国民と中流貧民』の#2では、割増退職金の詳細条件などプログラムの全容を明らかにすると共に、それと並行して進む“シニア追い出し”施策の実態に迫った。(ダイヤモンド編集部副編集長 浅島亮子)



    50歳以上の社員4割の超高齢化

    希望退職に続くシニア追い出し策



    「日本のホンダ社員に占める、50歳以上の社員の構成比が4割に上る。円滑に社員の世代交代を進めるために導入する」



     これは、早期退職制度「ライフシフト・プログラム(LSP)」を導入するに当たって、ホンダ経営陣が管理職社員に向けて発信したメッセージだ。



     今年4月に、ホンダは中高年社員を対象にLSPを実施。LSPは、定年より早期に辞めれば、通常の退職金に上乗せした割増退職金が加算される制度だ。早期退職対象者のうち希望する社員には、人材サービス企業による再就職支援など、転職に必要なメニューが用意されている。



     ホンダは「募集人数や期限を定めているわけではなくクビ切りではない。あくまでも転身支援制度であり、早期退職制度という位置付けではない」という立場だ。だが、管理職に発信した「冒頭の一言」に経営の意思は凝縮されている。超高齢化まっしぐらのいびつな年齢構成を解消するために、ロートル社員の締め出しを急いでいるのだ。



     制度導入の背景には、企業に高齢者雇用を強いる規制強化の動きもある。今年4月に施行された改正・高年齢者雇用安定法は、企業に対して70歳までの社員の雇用努力を義務付けるというもの。今後、年金の支給開始年齢の引き上げに伴い、努力義務から「70歳定年、あるいは70歳までの社員の雇用義務付け」へと規制が強化されることが濃厚になっている。



     そうなれば、企業の人件費激増は避けられない。今のうちに中高年・シニア人材をリリースしておかなければという防衛本能が働くのは当然だ。



     そして、10年ぶりに導入されたホンダの早期退職プログラムに対して、社員2000人超もの応募が殺到した。2021年3月期時点で、ホンダの日本地域における正社員は4万3472人(ホンダ本体、本田技術研究所、ホンダ・レーシングなどを含む)なので、全体の4.6%に相当する社員が手を挙げたことになる。



     希望者の大量殺到に対して、中高年のホンダ社員からは複雑な本音が聞こえてくる。



    「“老兵は死なず、消え去るのみ”ということだろう。周囲で手を挙げた人間も多く迷ったが、自分は居場所がなくなっても最後まで居続けようと思う」(50代後半ホンダ社員)



    「自分たちが対象年齢に達した時には、退職金の原資が枯渇しているのではないか。辞める人に手厚く、現役社員の活力が高まる仕組みになっていない」(40代後半のホンダ社員)



     一体、LSPとはどのような制度なのか。割増退職金の詳細条件などプログラムの全容を明らかにする。また、取材を進めると、LSPとは別の新たな「シニア追い出し施策」の遂行が進められていることが分かった。



    問1

    定年再雇用の社員向けの人事制度でうまくいっているパターン、うまくいっていないパターンを知りたい。







     大企業の場合、再雇用をしても65歳までが基本で、それ以上の年齢で働いている人は少ない印象です。一方で、私が人事コンサルティングを担当している中小企業のうち、4割以上が70歳以上の社員を雇用しています。



     「再雇用の社員はお元気ですか」と経営者に聞くと「すごく元気です」と口をそろえて言います。仕事を通じて社会に貢献し、精神的に充実しているからでしょう。労働人口が減る中、元気なシニアは企業にとっても重要な戦力です。



     質問への回答ですが、再雇用時に経営者が悩むのは、給料の「払い過ぎ」についてです。



     2021年4月から、中小企業も「同一労働・同一賃金」制度の対象となりました。定年後に社員を再雇用して、それまでと同じ仕事を続けてもらう場合、給料を下げることはできません。



     「再雇用後も同じ仕事を続けてほしいが、あなたにはこれまで給料を払い過ぎていたから、これからは給料を低くします」と悪びれずに言う会社がありますが、それでは社員の意欲は大きく減退しますし、そもそも法律違反です。



    評価と給料を一致させる



     多くの日本企業は年功序列型の賃金制度を採用し、定年近くまで年齢給と勤続給を自動的に昇給させています。その結果、社員の評価と給料が必ずしも一致していません。



     私は前職の魚屋で人事制度を作りました。魚には旬の季節がありますから、社員が旬の知識を身につけているかどうかを評価要素の1つに設定しました。



     例えば、「土用の丑の日」の知識があれば、社員は「今日は土用の丑の日なのでウナギはいかがですか」とお客様に声をかけることができます。大声で「いらっしゃいませ!」と呼びかけるだけでなく、知識によってお客様の購買率を上げることができるのです。



     「旬の知識を身につけたら、成長点数(評価点数)が5点上がる」などと明確にすると、社員は勉強会に進んで参加しました。評価(成長点数)と給料が結びついているので「勉強するのは自分のため」とモチベーションが上がるのです。



     会社にとって必要なこうした知識・技術をどれだけ習熟しているかに加えて、期待成果の実現度や重要業務の遂行度、勤務態度の順守度によって社員を評価して給料を決めれば、評価と給料は一致します。そうではなく年齢や勤続年数で給料を決めると、払い過ぎている社員が出てきます。



     大事なのは、入社時から各社員の成長を「可視化」し、常に評価と給料を一致させておくことです。そして、例えば成長点数が20点の社員がいれば、60点、80点になるように指導していく。再雇用のときになって「払い過ぎだ」と慌てても、手遅れなのです。



    再雇用は個別対応で



     評価と給料が一致している会社では、再雇用後もその人事制度をそのまま活用しています。再雇用後も社員が成長したらそれを評価して給料に反映するので、🎈🎈🎈🎈シニア社員も会社もハッピーです。



     ただ🎈🎈🎈🎈🎈🎈、働き方は多様になります。「再雇用後もバリバリ働いて残業もしたい」と考えるシニア社員がいる一方で、「50代より仕事量を減らしてゆっくり働きたい」と考えるシニア社員もいるでしょう。



     「60歳を過ぎたから一律で給料を何%下げる」といった対応ではなく、どんな働き方をしたいのかを一人一人と毎年きちんとすり合わせ、業務の内容や量、働き方に合った給料を決定してください。



     そして「気力・体力さえあればマネジャー職を続行できる」、または「もう部下の指導はせずに専門職として働く」など、60歳を過ぎた後にどんな働き方の選択肢があるのか、経営者はあらかじめ社内で示しておくようにしましょう。



     また、シニア社員の場合、勤続年数を重ねるにつれて働く時間は徐々に短くなっていくのが一般的です。元気なうちは週5日のフルタイムで勤務していても、体力が落ちてきたら出勤日数や勤務時間はどの程度、柔軟に変更できるのか。社員のためにも仕組みをきちんと設計しておきましょう。



     ちなみに、65歳になれば年金が支給されるため、業務量や仕事の内容を変えることで給料を下げても、社員から不平不満が出ることは少ないようです。





    輪転機の東京機械製作所は55人程度🎈🎈🎈🎈🎈🎈大和ハウス、早期退職制度を拡充



    新型コロナ禍が続く中、8月も上場企業による希望(早期)退職者募集の動きが止まらず、輪転機メーカー大手の東京機械製作所、医薬品卸大手のスズケンなど4社を数えた。これで36カ月連続となり、丸3年に及ぶ。ただ、1~8月累計では35社と前年同期を3割強下回っており、勢いは弱まりを見せている。



    輪転機の東京機械製作所は55人程度



    東京機械製作所は8月30日、50歳以上の正社員・嘱託社員を対象に55人程度の希望退職者を募ると発表した。募集期間は9月13日~30日。主要ユーザーである新聞業界は販売部数の落ち込み、広告収入の減少に歯止めがかからず、設備投資に慎重な姿勢を強めており、輪転機の受注が低迷。募集人数は連結従業員の約14%にあたる。



    東京機械製作所は目下、大規模な株買い占め問題の渦中にある。7月下旬、東証2部上場で投資事業を手がけるアジア開発キャピタルの子会社が東京機械株の8.08%を新規保有し、筆頭株主に躍り出た。その後も買い増しが続き、保有割合は現在38%を超える。これに対抗するため、東京機械は10月下旬に臨時株主総会を開き、買収防衛策発動の是非を諮る予定で、激動の秋が待ち構える。



    特殊ガラスメーカーの岡本硝子は、グループの正社員を対象に30人弱の募集を始めた。希望退職者募集は昨年6月(20人弱)に次いで2年連続。主力のプロジェクター用反射鏡関連は復調傾向にあるものの、一層の固定費削減と需要に合わせた事業体制の構築が欠かせないと判断した。






    医薬品卸大手のスズケンは同社と主要子会社3社で退職者を募る。スズケンの連結従業員は約1万5000人だが、今回の募集人数は非公表。抜本的な構造改革の一環として、人員と年齢構成の適正化を進めるのが狙い。



    スズケン本体のほか、退職者を募るのは地域販売会社のサンキ(広島市)、アスティス(松山市)、翔薬(福岡市)の3子会社。スズケンでは45歳~59歳の正社員を対象とする。



    早期退職優遇制度を拡充したのは大和ハウス工業。従来の制度は4月1日時点で49歳もしくは54歳、勤続15年以上が条件だったが、今回、対象年齢を45歳に引き下げ、勤続10年以上、54歳までの社員であれば応募できるようにした。世代の不均衡是正が主眼という。人数は設けず、8月11日から9月10日まで募集中。



    正式発表していないが、ホンダは55歳以上の社員を対象に実施した早期退職に2000人超の応募があったことが8月初めに報じられた(今回の集計にはカウントせず)。



    コロナ禍の1年目にあたる2020年の上場企業による希望退職者募集の発表は93社(延べ97社)に上り、2019年の2.6倍に急増した。2021年1~3月も前年を上回るハイペースだったが、4月以降は前年を下回り、8月までの累計は35社(募集人数は約3700人)とピークを越えた感がある。



    月別の希望退職者募集は2018年9月からこの8月まで36カ月連続で、ついに丸3年となった。



    ◎8月公表:希望(早期)退職者募集の一覧



    社名募集人数と期間東京機械製作所55人程度(9月13日~9月30日)岡本硝子30人弱(8月30日~9月17日)スズケン人数非公表(10月18日~29日)大和ハウス工業人数定めず(8月11日~9月10日)





    🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈定年制を廃止したYKK、人事部長が明かす決断への思い



    YKKは4月、国内事業会社で定年制を廃止した。少子高齢化で現役世代の人口が減少する中、今後も会社が発展を遂げるには「全ての社員にこれまで以上に年齢に関わらず活躍してもらいたい」(寺田創執行役員人事部長)との思いが背景にある。高齢の社員が残留しても、若い世代が萎縮せず活気のある組織を維持できるか試される。



    グローバル展開しているYKKは海外事業会社が89社あり、海外では既に社員の処遇に年齢を基準としない国がある中、「国内事業会社でも年齢に言及すべきでないとかねて考えていた」(同)という。また経営理念に「公正」を掲げており、年齢を基準とした一律退職である「定年制度」や、再雇用で給料が下がるような処遇は「公正ではない」(同)と感じていた。こうした思いも、定年廃止を後押しした。



    同社は元々、成果・実力主義を掲げ、「役割」を軸とした人事制度を導入してきた。ベテランも若手も適材適所で配置し、役割に応じて公正に処遇するよう努めてきた。高齢の社員も、従来と同じ職務内容・役割であれば、処遇はこれまでと同水準となる見込みだ。



    社員は65歳までに面談などを行いながら、自ら65歳以降の働き方を決められる。職務は64歳までの経験やスキルを考慮して決まる。実は、まだ65歳に達した社員はおらず、本格的に定年廃止の影響が出てくるのは24年4月以降という。「それまでに人事制度の詳細を詰めたい」(同)としている。過去数年間、社内で定年廃止を議論した際、ベテランからはまだまだ働けると期待の声が挙がる半面、若手からは将来、自分たちに管理職のポストが回ってこないのではと不安の声があったという。こうした声に対応し、「管理職が適切なタイミングで後進に道を譲る制度を導入していく」(同)。また年齢に関わらず果敢に挑戦する社員を公正に評価・処遇し、組織の活性化を図る方針だ。



    「人生100年時代」を迎え、中高年以降の「第二の人生」が注目されている。そんな中、広告大手の電通が、40歳以上の一部の正社員を個人事業主に切り替える制度を始めた。対象者は電通を退職するが、10年間一定の固定給を得ながら、自分のやりたいことに挑戦できるという。しかし、そんなにうまくいくのだろうか。いわゆる「リストラ」ではないのか。電通を飛び出した元社員の挑戦から、会社とベテラン社員の新たな関係を探った。【松岡大地/経済部】



    目指すは陶芸家



     真夏の日差しが照りつける8月上旬の平日。東京都世田谷区の陶芸教室「祖師谷陶房」で、大谷麻弥さん(54)がろくろを回していた。「陶芸家というにはまだまだですが、会社員時代に比べて、少しずつ上達しています」と笑顔を見せる。来年2月には展示会を予定しており、将来は陶芸家として自立を目指している。



     大谷さんは昨年末まで電通の社員だった。1992年に入社し、18年間アートディレクターとして大手企業の販促ポスターや新聞広告のデザインを担当した。しかし、長男の出産を機に現場を離れ、主に人材開発部で社員の健康管理などをしてきた。



     育児の時間を融通しやすくなった一方で、モヤモヤした気持ちも抱えていた。「人材開発は大事な仕事ではあるけれど、自分に向いているのかなという思いがあった。やはり形ある作品を作りたい気持ちが捨てきれずにいた」。そこで、プライベートで十数年前から陶芸を習い始めると、面白さにとりつかれた。「クライアント(顧客)の仕事ではなく、自分が好きな作品を作れることが面白くて、上達したい気持ちが芽生えた」



     「どこかで早期退職をしよう」。7~8年前からそう思っていたが、決断できずにいた。「陶芸家として独立するには時間がかかる。うちはシングルで自分が働かないと収入が得られない。中学生の息子の教育費もかかることを考えると踏み切れなかった」



    ↑さらば正社員 中高年を個人事業主にした電通の「大実験」



    2020年も、残り1カ月を切った。歴史的パンデミックとの共存を迫られる中、大きな変化があったものといえば、私たちの「働き方」だろう。リモートワークの導入を端緒に、労働の当たり前を問い直す時間は、今も続いている。



    働き方の変化のなかでも、顕著だったものの1つが、特化したスキルを持った「プロ人材」を現場のニーズに合わせて配置する「ジョブ型」の台頭だ。コロナ禍においては、日立製作所、資生堂、KDDI、三井住友海上などの大企業が導入を発表したことでも話題となった。最近では電通やタニタをはじめ、正社員を業務委託として「再契約」することで、柔軟な働き方を推進する動きも出てきている。



    一方で、チームワークを尊重する「メンバーシップ型雇用」を慣行とする日本企業との齟齬が生まれやすい点をはじめ、ジョブ型のリスクを指摘する声も上がる。コロナ禍を経て、日本企業の雇用形態は、どのように変化していくのだろうか。



    大企業での導入事例も増える中、雇用のあり方に変化が起きる日は近い。あなたの会社も、決して例外ではない。



    「ジョブ型導入」の相談が劇的に増えている



    「日本企業には合わないという声も多いが、デジタル化、グローバル化を進め、競争力を高めるためには“やらざるをえない”状況でしょう」



    ジョブ型についてそう語るのは、人材・組織コンサルティング会社のマーサージャパン取締役、白井正人氏だ。2020年、白井氏に寄せられた相談のうち半分近くが、ジョブ型の導入にかかわるものだった。「昨年、一昨年と比べると、劇的に増えている」と相談内容の変化を語る。



    コロナ禍において、突然注目を浴びたジョブ型。高い専門スキルを持った「プロ人材」を採用し、業務効率の改善やイノベーションの創出を、一足飛びで狙うものだ。年齢給などが排除され、スキルによって給与が決まり、転勤や異動の義務はない。一方で、雇用保障が弱く、結果が出なければ即退職を促されるというシビアな一面もある。。



    「現場責任者を面接に同席させ、実際に会って話をすることで、既存のメンバーが納得した状態で迎え入れることができ、業務もスムーズになります。いくら優秀だからと言って、独断で連れてきたプロを入れても、現場は反発してしまいますからね」と、古賀氏は語る。





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    社員全員「業務委託」にした会社に起きた変化大企業によるジョブ型導入の相談も増えてい「。。



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    読み物労使の方へ。高齢者の原料。現状。



    高齢者の現状。



    プロフィール



    田原 孝明(たはら・たかあき)



    JILPT統括研究員



    高齢求職者のニーズに合った求人を



    正社員制度にほころびが見えてきた。高度経済成長を支えた終身雇用や年功序列などの仕組みが今は逆に日本企業の競争力をそいでいる。どうすれば社員のやる気を引き出せるか。タニタは正社員にあえて退社してもらい、業務委託契約を結び直す大胆な施策を打ち出した。会社と働く側の新たな関係性を探る挑戦だ。



    退社して業務委託契約 社外の仕事も自由に



    中高年の給料激減!主要企業のデータ初公開!大企業の5割導入 役職定年の悲哀



    「53歳で年収が3割減」など、一定年齢になるとシニアの年収が激減する「役職定年制度」。この制度は1000人以上の大企業の5割で導入されている。ところが、これまで役職定年の詳細が世に出ることは、ほとんどなかった。そこで、ダイヤモンド編集部では主要企業の役職定年の実態、実額を徹底調査。そこからは、残酷なまでの悲哀が浮き上がってきた。



    #1 8月1日(月)配信 NTTは「55歳で年収3割減」の役職定年、富士通・NECは廃止も新制度はよりシビアに 東京海上は年収3割減、あいおいも激減!🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈損保大手50代役職定年で給料激減の悲哀



    「NTTは『55歳で年収3割減』」「東京海上は年収3割減」。



     これが大企業での役職定年の実態だ。役職定年とは、一定の年齢と職位に達した管理職を、一律で役職から外すとともに年収が激減する制度のこと。冒頭のように、3割減少することは珍しくない。ローンや教育費を抱えるシニアにとっては大打撃だ。



     しかも、実は大企業の多くがこの制度を採用している。厚生労働省の「平成21年賃金事情等総合調査(退職金、年金及び定年制事情調査)」によると、従業員1000人以上規模の企業の約50%は役職定年制度を導入。ダイヤモンド編集部の調査でも。社員3001人以上の企業ではなんと75%が導入しているという結果が出た(調査詳細は次ページ)。



     にもかかわらずだ。役職定年制度は当該企業の社員にはあまり存在や詳細を知られていない。定年と異なり社員規定などで明文化していない企業も多いため、中には当事者になる直前で初めて、人事部から個別に制度の存在を知らされる社員もいるという。



     年収が激減し人生を左右する制度であり、しかも大企業のほとんどが導入している。しかし、まるで「存在しない」かのように、本人たちには詳細を知らせていない。はっきりいって、これは大問題だ。



     そこでダイヤモンド編集部では役職定年の全貌をつかむため、アンケート調査を実施した。



     本人に特に過失がないのに実際に定年を迎える日まで管理職の仕事を全うできず、定年の数年や10年前の時点で年齢を理由に一線から外す、という役職定年制度は、本人にとっては納得がいく制度ではないだろう。アンケートでも「能力や実績を加味せず年齢のみで一方的に役職を解かれ減給されるのは、納得感がない」「業績評価次第では減給とならない制度にしてほしい」などの声が集まった。



     役職定年制度はそもそもなぜ生まれたのだろうか。「1986年に施行された高年齢者雇用安定法で、それまで55歳または57歳だった定年が60歳に延長されたことがきっかけだった」と定年後研究所の池口武志所長は指摘する。



     つまり、定年の延長が法律で定められたので企業はそれに従い雇用延長をする義務を負ったものの、それまで就いていた役職からはかつて定年だった年齢で退いてもらう、とした経過措置がそもそもの始まりだったというわけだ。その後、団塊世代やバブル世代などで大量に採用された世代が占めていた管理職ポストを、次の世代に回して組織の新陳代謝を図るための手段として企業に使われてきた。



     だが今、この制度は幾つかの理由で見直さなければ後々企業経営に大きな禍根を残すことになりそうな状況になっている。



     次ページからは「対象年齢」や、「給料の減額幅」などアンケート結果をひもときながら役職定年制度の現実を見てみよう。そして、なぜこの制度がさらに問題となりそうなのか、その解決策はどこにあるのかについても考えていく。



    🎈🎈🎈🎈🎈🎈日立は本部長間で約500万円もの年収格差 降格もあり得る“冷徹”人事制度



     バブル期に入社した40代後半から50代の人材がダブついているのは多くの日系企業に共通する課題だが、電機業界もその例に漏れない。



     かつて、日立製作所にも役職定年制は存在し、50歳以上で担当者クラスや課長級程度だった社員は、グループ会社への出向(後に転籍)や、55歳程度で日立本体にいながら役職定年というパターンで、大幅な賃金カットの憂き目に遭ってきた。後者の場合、社員の年収は役職定年時に約4割ダウンすることもあったという。



     だが2014年3月期の「グローバルグレーディング」導入を前に順次、役職定年制は廃止された。グローバルグレーディングは海外子会社を含む全世界の管理職5万ポジション(当時)の序列を世界統一の基準で評価し、等級分けを実施する仕組みだ。上位ポストから下位ポストに降格させれば、年齢が高いというだけで高額報酬を払い続ける必要はなくなる。



     日立は人事制度改革の手を緩めなかった。23年3月期にジョブ型の人事制度を本格導入したのだ。これにより、非管理職を含む全社員のポジションごとにジョブディスクリプション(JD、職務内容を詳しく記述した文書)を作成し、JDが求める必要要件を満たす社員を適材適所で配置することになった。



     これらの改革で、給料は年功序列ではなく、ポジションごとの難易度で決まる傾向が強くなった。役職定年制を復活させる必要性はもはやないというわけだ。



     ただ、その結果、日立では役職定年性の時代よりもシビアな人事が多発している。実は同じ役職でも500万円の差が生まれることすらあるのだ。



     同様にNECと東芝でも劇的な人事制度の変化が進む。かつての出世のメカニズムは通用せず、日立同様に格差が生まれようとしている。3社に何が起きているのか。何歳時点でどれくらいの給料が減るのかなど、具体的な内実を見ていこう。



    キリンビールの年収「57歳で3割減」でアサヒと明暗…食品業界50代の給料事情



    電力業界の頂点に君臨する東京電力ホールディングスにとって、都市ガス業界の王者、東京ガスは永遠のライバルだ。売上高の規模、顧客基盤において東電が東ガスを長年にわたって圧倒してきた。果たして、中高年社員の待遇も東電が東ガスを上回るのだろうか。特集『中高年の給料激減!主要企業のデータ初公開!大企業の5割導入 役職定年の悲哀』(全17回)の#6では、900万円という大きな格差を生む背景に迫る。そしてその格差はさらに拡大するかもしれない。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)



    福島第一原発事故を境に 東電社員の待遇が暗転



     首都圏を地盤とする東京電力ホールディングスと東京ガスは、顧客の光熱費争奪戦で激しくしのぎを削ってきたライバルだ。



     持ち株会社制度に移行する前の旧東京電力が2004年、タレントの鈴木京香さんがCMでオール電化住宅の導入を訴える「Switch!」キャンペーンを仕掛けると、東ガスは、06年からタレントの妻夫木聡さんが都市ガスをアピールするCMシリーズ「ガス・パッ・チョ!」で対抗した。



     ライバル関係にあるとはいえ、東電は東ガスより会社としての格がはるかに上だと自負してきた。当時は東ガスの5倍近い売上高5兆円、顧客基盤はほぼ2倍の2200万件に上り、そして財界のトップである経団連会長を送り出す名門企業としての矜持があったからだ。



     むろん、社員の待遇も上回っていた。10年3月期の有価証券報告書によると、管理職を含まない東電社員の平均年間給与は約757万円。これに対し、東ガスは約718万円だった。



     ところが、である。11年3月に発生した東電福島第一原子力発電所の事故を境に、東電社員の待遇は暗転する。



     次ページ以降では、東電と東ガスのベテラン社員が57歳での年収で最大900万円もの差がつく裏事情を、具体的な年齢や役職などを基につまびらかにしていこう。すると、この格差がさらに拡大する可能性も見えてきた。



    過去最高益が続々の総合商社 商社マンの生涯賃金は5億円



     総合商社の勢いが止まらない――。商社の2022年3月期決算は、大手7社全てが従来予想を上回って最高益を更新。ロシアのウクライナ侵攻による損失を一部で計上したものの、資源高などを背景に好業績をたたき出している。



     三菱商事の純利益は前期比でなんと5.4倍の9375億円を稼ぎ出し、2期ぶりに商社トップに返り咲いた。次いで、三井物産は同2.7倍の9147億円となり、商社2社が純利益9000億円を突破。三菱商事に逆転されたとはいえ、前期決算で商社トップとなった伊藤忠商事も、同2.0倍の8202億円となっている。



     生涯賃金5億円――。商社マンの年収たるやすさまじい。一般的なサラリーマンの生涯年収の約2倍近い年収を稼ぎ出すのが、総合商社のエリートサラリーマンだ。直近の有価証券報告書によれば、三菱商事の平均年収は約1559万円、三井物産は約1549万円、伊藤忠商事は1580万円、住友商事は1406万円、丸紅は1469万円と記載されており、その水準の高さには驚くばかりである。



     高給なだけに仮に他の企業と同じような役職定年制度があれば、打撃も大きそうだ。役職定年とは、一定の職位や年齢になると職を解かれ部下なしとなる制度のことで、多くは給料が激減するからだ。



     では、商社の役職定年制度はどうなっているのか。一言で言えば、他の業界の役職定年とまったく異なり高待遇に尽きる。ただし、一部の役職定年制度をなくした商社では、新制度の下、熾烈なポスト争いが生まれている。



     三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅、豊田通商の破格の優遇ぶりを年齢と実額で開陳。新たな出世のメカニズムとともに、次ページ以降で紹介していこう。 ソニー「事業部長→平社員」降格の超シビアな役職定年、パナソニックは制度廃止に動いて誤算



    国内製薬会社で製薬関連売上高トップ3の武田薬品工業、アステラス製薬、第一三共。しのぎを削る3社は、役職定年制度の有無に経営スタイルや社風が表れている。もっとも、役職定年後の給料でも1300万円を超えることがあり、「高給」は健在だ。特集『中高年の給料激減!主要企業のデータ初公開!大企業の5割導入 役職定年の悲哀』(全17回)の#9では、製薬業界のシニア高給事情を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)



    平均年間給与「1000万円超え」の 武田薬品、アステラス、第一三共



     製薬業界は、革新的な医薬品を生み出すこと、つまりイノベーションが最重要視される。そしてイノベーションに対して価格が付き、社員の報酬に跳ね返る。要するに、高給取りとなる。



     ただし希望退職者募集の頻度が高く、人材の流動性は高い。リストラでなくとも、平時から競合他社にキャリアアップの道を求める“業界渡り鳥”も少なくない。



     さて国内の製薬関連売上高トップ3の武田薬品工業、アステラス製薬、第一三共は、いずれも平均年間給与(単体ベース)が1000万円超であり、製薬業界の中でも特に高給の企業として知られる。



     業界をあまり知らない人へ“3社のキャラ”をご紹介すると、武田薬品は報酬18.5億円のクリストフ・ウェバー社長兼CEO(最高経営責任者)の下、近年急速にグローバル化を進めた「イケイケ」タイプ。アステラスも報酬4.5億円の安川健司社長兼CEOの下、武田薬品ほどではないが大胆な組織変革を遂げた「準イケイケ」タイプ。なお両社は開示、非開示を問わず、近年頻繁にリストラを行っている。また特に幹部クラスで人材の流入、流出が目立つ。



    * 6/23 18:30

     一方、第一三共は前の2社と比べると、「おっとり」タイプ。年功序列的な組織運営など、日本的かつ保守的な姿勢が色濃く残る。眞鍋淳社長兼CEOの報酬は3.4億円と抑え気味で、報酬面では比較的フラットな組織となっている。人材の流動性は前の2社と比べれば目立たない。



     いずれにしても3社に共通するのは「高給取り」ということ。であるならば、「役職定年制度」の有無や、給料の減額幅も気になるところだ。役職定年とは一定の年齢になると役職を解かれ、多くは部下なしとなり年収が2~3割の大幅減となる制度。



     一般的にも“強制的な大幅報酬ダウン装置”と恐れられているが、製薬業界はベースの給料が大きいだけに、さらにインパクトは大きくなる。



     3社の役職定年事情はどうなっているのか。実は、そこにも“キャラ”が表れていた。ある会社では年収が400万円も激減する場合もある。一方、別の会社では役職定年制度はないが、よりシビアな現実が待っていた……。次ページから、どのようなタイプなら年収が下がらないかも含めて、具体的な金額とともに明らかにしていく。



    🎈🎈🎈🎈🎈🎈公務員65歳定年制開始で 国家・地方公務員に何が起きるか?



     役職定年制度の見直しやジョブ型への移行などに動く企業が増える中、これから導入するところもある。全国で国家59万人、地方274万人が存在する公務員だ。



     国家公務員には、霞が関や地方にある国の機関に勤めるいわゆる官僚、それに検察官などの「一般職」と呼ばれる公務員が約29万人、そして裁判官、防衛省職員、大臣などの「特別職」と呼ばれる職員が約30万人いる。さらに全国に散らばる地方公務員、合わせて330万人余りがゆくゆくはこの制度の対象になることになる。



     そもそもなぜ今、公務員で役職定年制度が採用されるのか。それは公務員の定年延長に伴うものだ。



     国家公務員法と地方公務員法の改正により、2023年4月から国家・地方公務員の定年が、現在の60歳から段階的に引き上げられることになった。2年ごとに1歳ずつ定年を引き上げ、23年度と24年度は60歳定年を61歳定年に、25年度から26年度は62歳に、というように徐々に延ばす。31年度以降は65歳定年制に完全に変わる。



     民間企業でも今後25年4月から65歳への定年延長が義務化されるが、公務員もこれに合わせて延長となるわけだ。これに伴って、60歳以降の職員に適用されるのが役職定年である。つまり「50代のある時期で役職を外されて給料をカットされる」という、本特集で見てきた民間企業の役職定年とは少し意味合いが異なる。



     そもそも、これまでシニア公務員の働き方はどうなっていたのか。キャリア官僚の天下りなどに代表されるような、定年前の自主退職や企業、団体への転職が一つ。それに60歳以降の「再任用」制度を利用するのがもう一つの手段だ。



     再任用制度は13年から年金支給開始年齢が65歳に繰り下げられたため、無年金となる期間の収入を補うためにできたものだ。



     1年更新で、希望者は全員応募できるが、給料は大幅に下がる。公務員の給料は役職と職務について与えられる「級」と、年次や評価によって定まる「号俸」で決まるが、再任用の場合はどんなに高い号俸だった人でも級によって固定の、しかもほぼ最低の号俸にまで引き下げられてしまうからだ。



     この再任用制度が廃止され、それに順次入れ替わっていく制度が、今後採用される定年延長と役職定年制度というわけだ。その内容はどうなっているのか。



     最も気になるのは「再任用制度よりも給料は下がるのか?上がるのか?」だろう。その点を含めて、年齢、役職、金額など具体的に変更の中身を紹介。新制度で業務過多の若年公務員の働き方は改善されるのかも、次ページで見ていこう。すると、公務員向けの役職定年制度は、かなり思い切った制度であることが浮かび上がってきた。 最大手2社でも年収1000万円を超えない 給料は安い小売り・流通業界の役職定年事情は?



     社員数が多く、そして平均給与が安い小売り・流通業界。役職定年制度の状況はどうなっているのだろうか。



     傘下に総合スーパーを抱える小売り大手は、概して社員数が多い。セブン&アイグループで8万3635人、イオングループで15万5465人いる。さらに、平均年間給料はセブンが739万円、イオンが856万円(共に親会社のみ、有価証券報告書ベース)で1000万円を超えない。最大グループの2社がこの水準ということは、あとは推して知るべしだ。



     ちなみにコンビニではローソンが同1万0362人・634万円、ファミリーマートが6881人・618万円、百貨店では三越伊勢丹HDが9691人・711万円、丸井グループが4654人・642万円、専門店ではファーストリテイリングが5万5589人・964万円となっている。



     小売業の場合、現場で販売に従事するのは臨時雇用の契約社員や非正規雇用社員の比率が圧倒的に高い。フランチャイジーを束ねるコンビニチェーンの場合は本部の規模が比較的小さく、直営店を持ち運営するスーパーなどの場合は社員数が比較的多い。



     また、元ダイエーグループのローソンや、元西友グループのファミリーマートなど、スーパーグループから分離して商社傘下に落ち着いた企業と、再編を経ずに今に至る企業とでは、その成り立ちが大きく異なる。そのため、役職定年制度に関してもシニア社員の活用については大きく分かれた。



     役職定年制度とは、一定の職位や年齢になると職を解かれ、部下なしとなる制度のこと。多くは給料が激減してしまうだけに、もともとの水準が低い小売り・流通業界のシニア社員にとっては死活問題といえよう。



     セブン・イレブン-ジャパン、イトーヨーカ堂、ローソン、ファミリーマートや三越伊勢丹HD、丸井グループ、ファーストリテイリング、日本郵便について、シニア人事制度の詳細、年齢、役職、給料の減額幅などを具体的に見ていこう。日本郵便のように「給料がほぼ半額になる」制度がスタートしている会社もあり、シビアな現実が浮かび上がった。 50歳を過ぎたら片道切符 銀行のシニアは今?



     片道切符――。銀行員が融資先など取引先に出向するといえば、こういった印象を持つ人が多いだろう。実際、同時に入行した同期の中から執行役員が誕生するのが50歳を過ぎたあたり。出世競争に敗れた銀行員たちが銀行を去り、グループ会社や民間企業に出向していくことから、悲哀の象徴として語られることが多い。



     こういった出向は規定に明文化されているわけではないが、暗黙のルールとして行われてきた。30代での出向は銀行本体への復帰が約束されているが、40代後半からの出向は、二度と銀行に戻ることがない片道切符である。霞が関のキャリア官僚は、年次が上がって同期が出世するたびに周りは徐々に退官していくが、それと同じような慣習といえる。



     霞が関には今もこうした慣習が残るが、銀行はどうか。多くの金融機関が年次に縛られているのに変わりはないが、出向する慣習については銀行によって違いが出てきたようだ。



     その理由の一つに、歪な年齢構成がある。この話で避けては通れないのが、バブル入社組の存在だ。バブル入社といえば、1988~92年に大学を卒業して社会に出た世代を指す。詳細は次ページ以降に譲るが、大手銀行はバブル期に新卒者を大量に採用、90年には現在の3メガバンクで約4000人弱の大卒総合職を採用している。



     これらバブル入社組はすでに50歳を超えているが、人数が多いバブル入社組に対し、バブル崩壊後に訪れた就職氷河期世代の人員が極端に少ない。その後、合併を繰り返し、公的資金の注入などによるリストラもあって、メガバンクの人員構成はかなり変わってきている。故に、同じメガバンクであっても、50代の処遇にはかなりの違いがある。



     三菱UFJ銀行に三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクに加え、あまり表に出ることがない日本銀行、そして地方銀行ではトップクラスの規模と収益力を誇る千葉銀行では、いったいシニアはどういった処遇になっているのか。年齢や役職によって年収はどれくらい減るかに加え、出向先や転職先の事情など、全て具体的な生の声と共に次ページ以降で明らかにしていこう。



    70歳まで給料激減制度なしで働ける!?ゼネコンがシニア社員に優しい「ある事情」ダイヤモンド編集部 藤田章夫:編集委員特集中高年の給料激減!主要企業のデータ初公開!大企業の5割導入 役職定年の悲哀



    ある事情から、昨今のゼネコン業界はシニア社員にとても優しい。例えば、中高年の給料が激減するような役職定年制度を持つゼネコンは少ない。さらに大成建設では、条件を満たせば70歳まで働けるという。一方、不動産会社はどうなのか?特集『中高年の給料激減!主要企業のデータ初公開!大企業の5割導入 役職定年の悲哀』(全17回)の#16では、ゼネコンがシニア社員に優しい事情を詳述する。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)



    歯止めがかからぬ人手不足と高齢化 シニアに優しい建設業界



     人手不足と高齢化――。建設業界を語る上で、この話は避けては通れない。国土交通省の調べによれば、1997年に建設業界の就業数は約685万人となりピークを迎えたが、その後は減少の一途。2020年には492万人となって500万人を割り込み、実にピーク時の約3割減となっている。



     就業人数が減る一方で、高齢化にも歯止めがかからない。建設業に占める55歳以上の割合が3割を超えてからすでに10年以上が経過しているが、現在では36%を占める。なんと、建設業従事者の3人に1人が、55歳以上というわけだ。片や、29歳以下は約1割でしかなく、かなり高齢層に偏った業界といっても過言ではない。



     そこには、公共工事の減少などで長らく建設投資が減ったことに加え、労働環境の厳しさなどから若者の「建設離れ」が進んだことが挙げられる。むろん、これは下請けや孫請けなど現場を含めた建設業全体の話であり、その頂点に君臨するスーパーゼネコンの置かれた状況は少々異なるが、他業界と同様に氷河期世代や若手が少ないことに違いはない。



     しかも、アベノミクス以降、東京オリンピックなどもあって、ここしばらく建設業界は建設ラッシュに沸いてきた。故に、人手不足はさらに深刻度を増している。そうした中で、ゼネコンに役職定年制度はあるのだろうか。



     役職定年制度といえば、一定の職位や年齢になると職を解かれ、部下がいなくなる制度のことで、多くは給料が激減してしまうことをいう。そこで、下図をご覧いただきたい。







     本特集の#3『「シニアの給料激減制」を大企業の7割が採用!独自アンケートで判明した“役職定年”の全貌』で示した通り、従業員101人以上の企業で半数以上が役職定年制度を導入し、201人以上の会社での採用率は6割にもなる。ところが、建設業界に限ってみれば、「現在導入されているまたは過去に導入されていた」の割合は3割弱でしかない。



     人手不足の深刻さの度合いが高い建設業界だけに、他業界に比べて役職定年制度が少ないことが如実に表れている。では、鹿島や大成建設、大林組、清水建設といったスーパーゼネコンたちのシニア事情はどうなっているのか。総じてシニアに優しい制度となっているが、役職定年制度の有無や定年の延長、再雇用の条件などで違いのあることが分かった。次ページ以降で年齢、役職、年収などを具体的に詳述していこ



    創業支援等措置の導入に際して、企業側は業務委託の方法や報酬についての仕組みを新たに決め、下記の事項を記載した計画を作成します。







    七十歳 現役生涯現役時代



















    🎈🎈🎈🎈🎈ニッセイ基礎研究所



    2016年06月20日 (前田 展弘) 高齢化問題(全般)



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    3――高齢者雇用政策の経緯と今回の法律改正内容



    。地域が一丸となって、高齢者の新たな活躍を支援する新たな政策と言える。



    図表6:「生涯現役促進地域連携事業」の概要



    (2)シルバー人材センターにおける取り扱い業務の要件緩和



    これは前述の「シルバー人材センターの機能強化(図表5(ⅴ)部分)」の課題を踏まえ、2016年4月から施行される。シルバー人材センターの概要及び取り扱う主な業務は図表7①に示したが、これまで取り扱うことのできた業務は、「臨時的・短期的」(概ね月10日程度まで)または「軽易な業務」(概ね週20時間程度まで)に限定されていた。それが図表7②にあるとおり、これからは『都道府県知事が市町村ごとに指定する業種等においては「派遣・職業紹介」に限り、週40時間までの就業が可能』となる。高齢者の就業ニーズは多様であり、いわゆる「臨・短・軽」の業務に止まらず、それ以上の仕事を求める高齢者も多い実態を踏まえて、このような要件緩和がはかられたのである。



    図表7:シルバー人材センターの事業概要及び「臨・短・軽」要件の緩和概要



    <参考>雇用保険の適用対象者の拡大(雇用保険法の一部改正)



    高齢者の就業に関連する法律の改正としては上記に加え、雇用保険も「65歳以降に新たに雇用される者を雇用保険の適用の対象とする」ように改正が行われている。これは2017(平成29)年1月から施行される(ただし、保険料徴収は平成31年度分まで免除される)。



    【次ページ】高齢者の就業支援に向けたその他の動向(参考)



    ※社員のセカンドキャリア徹底支援!「健康経営」があなたの会社を強くする-ジェロントロジーからの提案



    ※生涯現役社会の環境整備に関する一考察~地域における65歳以上の就業促進に向けて



    ※高齢者雇用政策の展望~生涯現役社会/エイジフリー社会の実現に向けて~



    ※生涯現役促進地域連携事業の実態~先進23地域の動向



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    一般社団法人高齢者活躍支援協議会ニッセイ基礎研究所



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    一般社団法人高齢者活躍支援協議会



    時代は70歳現役社会から生涯現役社会へ



    高齢者活躍支援協議会(通称:高活協)は、「生涯現役社会」の実現を目指して活動しています。



    どういうことか。「役職定年後は年収が3〜4割ダウンする。管理職ではないので残業代が発生するが、どうも減った分をカバーするために残業しているらしい。本人も『俺は専門職になったから仕事を回せ』と周囲に言っている。後輩の部長も注意しづらく、頭を抱えている」と話す。



    🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈社員全員「業務委託」にした会社に起きた変化。



    。 ・。い。、必要の都度勤務※現在、9割以上の方がフル勤務を選択



    会社から期待されていることが、明確でないために、本人の



    モチベーションが低く、周囲からも「何をしているかわからない」



    という声もあり。



    定年前と同じ業務に就いているが、これまでの経験やノウハウを活



    かして、新たな仕事(海外や他部門で)をやりたいとの思いを持って



    いる人もいる。



    役職者は肩書が外れることで、第一線を退いたような意識を持って



    しまう人もいる。



    ベテラン層の意欲・能力を最大限引き出す仕事の渡し方があるの



    プロフィール

    田原 孝明(たはら・たかあき)

    JILPT統括研究員



    高齢求職者のニーズに合った求人を

    人材不足なのに6/22定年退職者を採用したくない企業のホンネ

    定年退職者の再雇用は人材不足の解決策になり得ると専門家は語る。定年退職者はなぜ再就職への意欲が高く、そのような人々を採用するメリットはどこにあるのか?

    🎈🎈🎈🎈🎈🎈ベテランは何歳で引退すべきだろうか。フランスや米国では議論が再燃している(注1、注2)。



    。改正「高年齢者雇用安定法」における“努力義務”とは? 罰則の有無も解説2012年改正では「65歳までの雇用確保措置」が事業主の“義務”となっていたが、2020年改正における「70歳までの就業確保措置」は“努力義務”とされている。「必ずしなければならない」義務に対して、「努めなければならない」のが努力義務だ。ようやく「65歳」への対応を終えたばかりの事業主も多い中で「70歳」を強制的な“義務”とするのは時期尚早、社会的な合意も形成されていない、という視点から努力義務にとどめられたと考えていいだろう。



    だからといって怠っていいわけではない。前述の5つの措置のうち、どれを導入するのか、検討・準備し、具体的なアクションを起こすことが求められる。「何もしない」はもちろん「ひとまず67歳までの継続雇用制度は導入した」でも不十分で、引き続き「70歳までの制度導入へ向けて努力を続ける」ことが必要とされる。



    また「高年齢者雇用安定法」はすべての企業に適用されるため、自社に高年齢者がいない場合でも対応する努力義務を負うことには注意しなければならない。



    🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈努力義務を果たしていないとしても罰則はないが、行政指導の対象(ハローワーク等からの指導・助言、状況が改善しなければ措置導入の計画作成を勧告、それでも従わなければ社名公表)となることはあるため、真摯に対応を進めたいところである。押さえておきたい「継続雇用制度」のポイント継続雇用する制度としては、「勤務延長制度」と「再雇用制度」の2種が考えられる。「勤務延長制度」は、文字通り、そのまま雇用を延長する制度だ。通常、役職、賃金、労働条件等の変更はない。一方「再雇用制度」では、定年に達した時点でいったん退職扱いにし、雇用契約を再度締結することになる。こちらの場合、役職、賃金、労働条件等は見直されることが一般的である。



    事業主および個々の高齢者の事情に合わせて、フレキシブルな契約形態を選択できる「再雇用制度」の方が、より導入しやすいといえるだろう。この「再雇用制度」において配慮しなければならないのが、以下の4点だ。●役職・賃金など処遇の見直し契約社員や嘱託社員などに雇用形態を切り替えて再雇用する際には、前役職から解かれ、それに応じて賃金を下げるという形が一般的だ。ただし、同一企業内における正社員と非正規社員の間の不合理な待遇差を禁止した「パートタイム・有期雇用労働法」などの観点から、過度な賃金カットは避けるべきである。対象となる高齢者の事情、仕事内容、責任範囲などを十分に検討したうえで、労使双方に不満のない契約内容を設定することが求められる。●勤務形態の見直し高齢者の体力、運動能力、健康状態は個人差が大きく、ライフ・ワーク・バランスに対する考え方もそれぞれ異なる。個々の希望や状況に合わせて勤務形態、労働日数・労働時間などを見直すべきである。●特殊関係事業主および他社での継続雇用「65歳までの継続雇用制度」は、自社および特殊関係事業主(いわゆるグループ企業や関連企業)での雇用が条件となっていたが、「70歳までの継続雇用」は他社での継続雇用も可能とされている。その場合、「当該の高年齢者を他の事業主が引き続いて雇用することを約する契約を締結する必要がある」、「可能な限り個々の高年齢者のニーズや知識・経験・能力等に応じた業務内容及び労働条件とすべき」、「継続雇用される高年齢者の知識・経験・能力に係るニーズがあり、これらが活用される業務があるかについて十分な協議を行う」といったことに留意しなければならない。●無期転換ルールに関する特例「無期転換ルール」とは、同一の使用者(事業主)との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて繰り返し更新された場合、労働者の申込みによって無期労働契約に転換できるというものだ。ただしこれには特例がある。適切な雇用管理に関する計画を作成し、都道府県労働局長の認定を受けた事業主(特殊関係事業主を含む)の下で、定年後に引き続いて雇用される期間は無期転換申込権が発生しないこととなっている。一方、他社で継続雇用される場合は特例の対象にはならず、無期転換申込権が発生する点には留意が必要である。

    🎈🎈🎈🎈🎈🎈「高年齢者雇用安定法」改正にあたって企業が準備しておくべきこと厚生労働省では「改正法が施行される2021年4月1日時点で、70歳までの就業確保措置が講じられていることが望ましい」としている。施行後に対応を始めるのではなく、前もって以下の準備を進めておくことが必要だ。●措置の選択前述の5つの措置のうち、どの措置を講ずるか、労使間の十分な協議、個々の高齢者からの聞き取りを済ませたうえで、方針を決定しておきたい。●措置の対象者の設定2012年改正における「65歳までの雇用確保措置」は、希望する高齢者全員を対象とした制度の導入が義務となっていた。一方、2020年改正の「70歳まで継続雇用する制度」などでは、対象者を限定することが可能となっている。ただし対象者基準の内容は、過半数労働組合などと十分に協議して同意を得ることが望ましいとされている。労使間で十分に協議して設定した基準であっても、たとえば「会社が必要と認めた者に限る」「上司の推薦がある者に限る」といった曖昧な基準、「男性(女性)に限る」といった差別的な基準は、法改正の趣旨や他の労働関係法令に反するものであり、不適切とされているため注意が必要だ。●高年齢者雇用状況等報告事業主は、毎年6月1日現在の高年齢者の雇用に関する状況を「高年齢者雇用状況報告」としてハローワークに提出しなければならないが、2020年改正により、この報告書は、70歳までの措置に関する実施状況、労働者への措置の適用状況に関する報告が追加された新様式に変更となった。2021年の報告から対応しなければならないため、早急な準備が不可欠である。●高年齢者が離職する場合の対応離職する高年齢者に対しては、求職活動に対する経済的支援、再就職や教育訓練受講などの斡旋といった「再就職援助措置」を講じなければならない。これまでは「解雇その他の事業主の都合で離職する45歳~65歳」が対象だったが、2020年改正により、65歳以上70歳未満の者や、対象者基準に該当せず離職する高年齢者なども対象として追加された。より幅広い高年齢者の再就職をサポートする必要が生じるわけで、その対応準備を進めておかなければならない。



    2021年4月施行「高年齢者雇用安定法」の改正内容とは? 努力義務となる雇用確保措置やその準備、罰則の有無を解説「高年齢者雇用安定法」の制定・改正の背景にあるものとは?「高年齢者雇用安定法(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律)」は、その名称の通り、高年齢者の安定した雇用の確保を目的としている。そして2021年における人事領域の大きなトピックといえば、この「高年齢者雇用安定法」の改正法が4月に施行時期を迎えることだ。



    同法は1971年に「中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法」として制定され、以後、改称や改正を重ねて今日に至っている。最新の改正が2020年、その前が2012年。この2012年改正(施行は2013年)では、以下の2点が主眼となっていた。



    【2012年改正高年齢者雇用安定法における高年齢者雇用確保措置】

    定年を60歳未満とすることの禁止65歳までの雇用確保措置……以下3つのいずれかの措置を事業主に義務付け
    (1)定年を65歳に引き上げ

    (2)65歳までの継続雇用制度の導入

    (3)定年制の廃止



    🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈『令和2年版高齢社会白書』によれば、日本の人口1億2,617万人(2019年)のうち65歳以上の人口は3,589万人で、総人口に占める割合は28.4%にも達している。少子化が進み、高齢者が増え、労働人口が減少している現在、その高齢者を雇用することで労働力を確保しよう。そんな狙いが「高年齢者雇用安定法」にはあるといえる。



    また少子高齢化によって深刻な状況に陥っているのが公的年金だ。かつては65歳以上の高齢者1人を10人以上の現役世代が支えていた。ところが上記『高齢社会白書』によると、2015年には高齢者1人に対して現役世代は2.3人。2065年には高齢者1人に対して現役世代は1.3人という比率になることが予想されている。



    現役世代の負担軽減と財源確保のため、政府は公的年金の受給開始年齢を段階的に引き上げることとした。だが、これまでの「定年も年金受給開始も60歳」を「60歳で定年、65歳で年金受給開始」にするだけでは、5年間の空白期間が生じる。そこで「高年齢者雇用安定法」に定年の引き上げや65歳までの継続雇用などを盛り込み、「年金を貰える65歳までは働く」という社会を作ろうとしたわけである。



    高齢者も、実は労働意欲を持っている。内閣府の調査(2019年)によると、現在仕事を持っている60歳以上のうち、36.7%が「働けるうちはいつまでも働きたい」と回答。「70歳くらいまで」~「80歳くらいまで」を加えると計87.0%だ。また継続雇用する事業主としても、高齢者の豊富な経験、卓越した技術、優れた知見は、失いたくないリソースだといえる。



    こうした状況の中で「高年齢者雇用安定法」は、高齢者に働き続けて欲しい社会と、働き続けたい高齢者とを結ぶものとして機能し、運用されてきたのである。2021年4月施行「高年齢者雇用安定法」の具体的な内容とは?2012年の改正では「65歳」がキーワードとなっていたが、これを「70歳」へと引き上げるのが2020年改正の大きな特徴だ。「70歳までの就業確保措置」が事業主の努力義務とされたのである。



    【2020年改正高年齢者雇用安定法における高年齢者就業確保措置】

    対象となる事業主
    ・定年を65歳以上70歳未満に定めている事業主

    ・65歳までの継続雇用制度を導入している事業主



    対象となる措置(努力義務)
    以下の(1)~(5)のうち、いずれかの措置を講じるよう努める必要がある

    (1)定年を70歳に引き上げ

    (2)70歳まで継続雇用する制度の導入

    (3)定年制の廃止

    (4)70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入

    (5)70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入

      a.事業主が自ら実施する社会貢献事業

      b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業



    (4)と(5)は雇用とは呼べないため、今回の改正では「雇用確保措置」ではなく「就業確保措置」となっている。ただし、この(4)と(5)は導入に際して労働組合等の同意が必要なこと、社会貢献事業に該当するかどうかの判断が難しいことなど課題は多く、現実的には(1)~(3)の“雇用”で対応する企業が大半を占めることになるはずだ。



    田原 孝明(たはら・たかあき)高齢者現状、読み物やること

    JILPT統括研究員



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    🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈🎈人材不足なのに定年退職者を採用したくない企業のホンネ



    定年退職者の再雇用は人材不足の解決策になり得ると専門家は語る。定年退職者はなぜ再就職への意欲が高く、そのような人々を採用するメリットはどこにあるのか?



    ベテランは何歳で引退すべきだろうか。フランスや米国では議論が再燃している(注1、注2)。



    中高年の給料激減!主要企業のデータ初公開!大企業の5割導入 役職定年の悲哀



    高齢者現状、ジョブ型。社員全員「業務委託」にした会社に起きた変化



    大企業によるジョブ型導入の相談も増えている



    1日あたりの平均労働時間】



    ・45歳~64歳:5.3時間



    ・65歳~69歳:5.8時間



    【1週間あたりの平均労働日数】



    ・45歳~64歳:3.9日

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